今月の法話

お盆、お施餓鬼ご来山の御礼


8月13日から16日のお盆、また22日のお施餓鬼に多くの檀信徒さんのご来山をたまわり、まことにありがとうございました。お盆は荒天となり、ご来山になれなかった方もおられたようですが、お施餓鬼は晴天となり、多くの方にお越しいただけました。コロナ禍をうけ、昨年同様、法要は簡素化、本堂には世話人さんのみお入りいただく、というイレギュラーな運用を行わせていただきましたが、世話人さんにもご協力いただき、「密」の状態も回避でき、無事滞りなくお施餓鬼を終えられましたこと、たいへんありがたく思っております。


さて、賛否両論、さまざまな議論を呼びながら東京オリンピックが閉幕いたしました。コロナ禍の中、国民には行動の自粛を求めながらの開催ということで心穏やかならぬ思いを抱かれた方も多かったと思います。


それでも、さまざまな競技を通して、この大会に向けてトレーニングを積んできたトップ中のトップアスリートたちのパフォーマンスは、見る者を感嘆させました。
その中で、従来の五輪では見られなかった景色もありました。スケートボード・パーク女子決勝で岡本碧優(みすぐ)さんが最後のトリックをした着地に失敗。涙を見せて落ち込む中で、他のスケーターたちが岡本さんに駆け寄り抱き合う光景が見られました。
またスケートボード・ストリートの競技では、瀬尻稜さんというプロスケートボーダーの「鬼やばいっすね~」「彼、スケボーうまいっすね」といったフランクなテレビ解説も注目を集めました。
ある言語学者は以下のように語っています。
「オリンピックは『ニッポン』『ニッポン』とすごくナショナリスティックになるのに、瀬尻さんはどの国の選手であれ、いいトリックを見せると『おおっ~』って喜ぶ。転んだら『痛そうっすね』と心配する。スケボーってこういうスポーツなんだ、こうやって楽しむんだと教えてくれた」


今回の五輪は「国別メダル獲得数」のランキングも、「がんばれ、ニッポン!」のエールも、これまでの五輪に比べ抑えめだった気がします。メディアも、我々国民も、「国」という括りにとらわれることなく、すべての人に手を差し伸べ、ともに悲しみ、ともに祝う時代の到来。結果より、チャレンジする姿勢に拍手を送る。これからの五輪のあり方を示唆する、大きな一歩がスケートボードによってもたらされたかもしれません。同時に、彼女ら彼らのふるまいは、「南無有縁無縁一切精霊」、すべての仏様のご供養をいたしましょう、というお施餓鬼の考え方とも共通するものがあるのではと、感じました。




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