今月の法話

秋彼岸


以前にも申し上げましたが、お彼岸(ひがん)とは、仏教用語では、サンスクリット語で「波羅蜜多」を訳した「到彼岸」から出た言葉です。我々が暮らすこの世「此岸(しがん)」に対し、向こう岸の世界、迷いがなく、生死を超越した悟りの境地に到達するという意味です。


お盆が「ご先祖様の霊がこの世に戻ってくる期間」であるのに対し、お彼岸は「この世からあの世(浄土)へ近づくために、我々が修行をする期間」です。その具体的な修行のひとつが、「お墓参りをしてご先祖様を供養する」という所作となります。


そのほかにも、さまざまな修行があります。我々僧侶は、「印を結ぶ」「真言を唱える」「心に本尊を念じる」という三密行(さんみつぎょう)(身・口・意)と呼ばれる修行を行いますが、一般の皆様におかれましては、例えば、


身:周囲に配慮した行動をする
口:助けを必要としている人に積極的に声をかける
意:心が忙(せわ)しない時は深呼吸して気持ちを落ち着ける


これらのことを日々実践することにより、仏様に近づいていくことが可能です。特に我が宗派、真言宗においては、「即身成仏」と言われる、「現世において仏と成れる教え」があります。絶えずお気に留めていただけましたらと思います。


今年のお彼岸は全国的にも、またここ埼玉の土地におきましても、気候が極めて不順です。明日(23日)のお中日、またその後の週末にかけましても不安定な天候が予想されます。ご墓参の最中に急な雨に降られた場合等は本堂等でお休みいただくことも可能ですので、遠慮なくお入りください。


また空模様、あるいはお足元悪い場合は無理をせず、ご自宅のお仏壇にお線香や仏飯をあげていただく、また墓所の方向に向いて手を合わせる、等の方法においてもご先祖様の供養は可能ですので、随意にご判断いただければと存じます。


 


 





 


 


 


 


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