花は半開を看る
「花は半開を看、酒は微酔に飲む」
(洪自誠(こうじせい)「菜根譚」)
現代語訳:花は半開、酒はほろ酔い、それでこそ最高の趣というものだ。(開きつくした花を眺め、深酒に酔いつぶれて何の風情があるものか。なにもかも満ち足りた人ほど、その事をよく知って欲しいものだ)
常に満ち足りたところを求めることなく、ほどほどのところで満足して楽しむのが大事、というほどの意味です。今年の桜の季節もあっという間に終わりましたが、八分咲きくらいの、ほどよく開いた桜を愛でるのが趣きよし。お酒も同様、深酒をせずに、ほろ酔いでとどめておきましょう。
仏教ではなにごとも「よい加減」「中道」「ほどほど」であることをよしとします。がんばりすぎない。自分を追い詰めない。他人に対しても同様。現状のような穏やかならざる世相においては、つい2年前までの「何もかも許された時代」と比べることによりイライラも募り、何かに当たりたくなるものです。
しかし、当たってもなにもよいことはありません。「諸行無常」。つまり、すべての「もの」や「こと」は、ずっとそのままの姿でとどまってはいません。できる限りのんびりと構えて、おうち時間を楽しみましょう。