今月の法話

墓じまい


 


お寺にご相談に見える方の多くはご法事に関するご相談なのですが、墓地の撤収、いわゆる「墓じまい」に関するお話も年数件はいただきます。「跡取りがいないので今後お墓を維持できない」「子供たちは遠くで暮らしていて頻繁な墓参が期待できないので、好きにお墓を探させたい」といった内容が多いです。


いずれも「いまの墓所を撤収し墓石を撤去、ご遺骨は取り出して別途ご供養」という流れをイメージしますが、少し立ち止まっていただければと思います。


まず後者に関しては、「跡取りの方がおられるのであれば、墓地の撤去費用や改葬費用、その方の墓所購入の手間や費用を削減する意味でも、とりあえず現在の墓所は当面そのまま維持しておかれたらいかがでしょうか」というお答えをします。ご先祖様が建てた墓石を壊すのは精神的にもつらいものですし、「ご両親の体調不良等をきっかけにお子さんたちが近くに戻ってきて親子の関係が親密になった」という事例も聞きます。維持費用は年間の管理費(拙寺は5000円です)のみですし、お彼岸やお盆、お命日のご供養やご法事も、「絶対にしなければならない」というものでもありません。お忙しい時は、ご自宅のお仏壇にお線香をあげていただき、静かに手を合わせていただくだけでも結構です。


次に前者、跡取りがおられないご家族の場合です。娘さんがいらして嫁いでいる、あるいは将来嫁いで別の姓になる、という場合、「○○家之墓」という墓石の名前と継承者の姓が異なってくることを懸念される方もおられますが、まったく心配ありません。娘さんのお相手の方と相談され、墓地を継承していく意思を確認してその旨をお知らせいただければ、こちらはそのように管理しますので大丈夫です。


お子さんお孫さんがおられず、今後墓所を見る人が間違いなく居なくなる、という方に関しては、残念ながら墓じまいという選択もやむを得ないと思います。その場合、拙寺では多くの方は拙寺内の「永代墓」に移られます。こちらは後々の管理、供養を墓地管理者(住職)が行う墓所で、現墓地の撤去や永代墓への埋葬費用は発生しますが、年間の管理費はありません。引き続きご供養をしていただけますし、ご希望であればもちろんご法事もお受けしております。詳細は直接ご説明しますので、お気軽にお問い合わせください。


 


 


 


 




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