兵戈無用(ひょうがむよう)
新年あけましておめでとうございます。皆様、心身健やかに新しい年を迎えられたことと存じます。
「兵戈無用」。ひょうがむよう。浄土三部経のひとつ『大無量寿経』に出てくる言葉です。意味は「武器も軍隊も要らない」。
太平洋戦争が終わって70年を経過し、戦争の実体験、悲惨さを語れる方も徐々に少なくなってきました。世界に目を転じればロシアのウクライナ侵攻、そして北朝鮮は連日のように我が国の方角にミサイルを発射し、中国は領海侵犯を繰り返している、と報じられています。それらに呼応するように我が国政府は当然のように防衛費の増額を閣議決定しました。
一応は抑止力としての軍備という建前ではありますが、なにかもう、近い将来の軍事衝突を前提としているような世の中の流れで、ともすれば我々も「政治家がそう言っているのだから仕方がないのかな」くらいの思いを抱きかねないような風潮ではあります。
しかし、本当にそうなのでしょうか。国と国との争いに決着をつける手段は戦争しかないのでしょうか。人が人を傷つけ、武器を持って殺しあうのは人間の最も愚かな行為であることは言を待ちません。我々は民主主義の社会に生きています。今こそ我々ひとりひとりがきちんと声を上げて、戦うことの無意味さをしっかり訴えていくべきではないかと考えます。
さて、檀信徒の皆様には昨年末にご連絡しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与する観点より、本年も「新春祈祷会」は中止とさせていただくこととなりました。皆様にはご不便をおかけしますが、事情ご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。
なおご法事に関しましては通常通り受け付けておりますので、お早めにご連絡ください。
新しい年こそ平穏な一年でありますことを、祈念いたします。