今月の法話

菩提寺の住職という立ち位置


先日、北関東のある医師のお話を伺う機会がありました。在宅緩和ケアをされている先生なのですが、余命宣告を受け、緩和ケア(生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、苦痛の予防と緩和を行うことで、生活の質を改善するアプローチ)の段階に入った患者さんに対して、「新興宗教やキリスト教の宗教者は積極的なコンタクトやコミュニケーションを試みるが、仏教の僧侶は積極的でない。また、患者さんやその家族の方から心の支えにされている印象もない」とのお話でした。

日ごろから「あらゆる局面で檀家さんの力になりたい、気軽に相談をしていただけるような僧侶になりたい」を考えている私(住職)にとって、大変にショックなお言葉でした。確かに、ほとんどの一般の方にとって菩提寺の僧侶は、「葬儀や法事の時に読経をお願いする存在」なのかもしれません。現に私も、ご家族が悩まれている檀家さんのご様子に気付かず、亡くなられてからご連絡をいただく、というようなケースが何度もあり、そのたびにショックを受けました。そして、なんとか、もう少し早い段階でご相談をいただけるような存在になれないだろうか、と、日々苦悶を続けております。

ましてや、昨今のこのご時世。さまざまな形で「生きずらさ」を抱えている方のお役に立ちたい。お話を聞かせていただくことで少しでもお気持ちが軽くなるのであれば、遠慮なく寺にいらしていただきたい。そのような思いを常に持っております。すべての方のお役に立てるわけではありませんが、幸いなことに数多くの専門家の先生とのネットワークも持っておりますので、お悩みを解決するお手伝いはできるかもしれません。檀信徒の皆様におかれましては、何かあったら住職の顔を思い浮かべていただけましたら、幸いです。


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